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不法就労助長罪が新たな欠格事由に 一定期間の同業禁止を入管庁が要請へ

不法就労・許認可

不法就労助長罪を許認可の欠格事由へ
罰金刑でも事業継続が困難になる可能性

出入国在留管理庁は、外国人の不法就労対策をさらに強化するため、 事業の許認可を受けられない「欠格事由」に、 不法就労助長罪の処分歴を追加するよう、 関係省庁に要請する方針です。

今後、在留資格を持たない外国人を雇用したり、不法就労をあっせんしたりして有罪となった事業者については、 罰金刑にとどまった場合であっても、一定期間、同じ業種の許認可を受けられなくなる可能性があります。

今回の対策強化のポイント
  • 不法就労助長罪の処分歴を、各業種の許認可における欠格事由へ追加する。
  • 罰金刑のみの場合でも、一定期間、同じ業種の事業を行えなくする。
  • 不法就労の事例が多い業種を調査し、関係省庁と法改正を協議する。
  • 人材派遣業や有料職業紹介事業以外の業種にも規制を広げる。
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この記事から分かること

今回の方針で重要なのは、不法就労助長罪による処分の影響が、 刑事罰だけでなく、事業に必要な許認可にまで広がる可能性があることです。

現在は、労働者派遣事業や有料職業紹介事業など、一部の業種ですでに不法就労助長罪の処分歴が欠格事由とされています。 今後は、罰金刑のみの場合を含め、他の許認可事業にも同様の規制を広げることが検討されています。 ただし、対象業種、欠格期間、施行時期などは現時点では確定していません。

「不法滞在者ゼロプラン」の一環として対策を強化

今回の方針は、政府が進める不法な外国人の摘発強化策である「不法滞在者ゼロプラン」の一環とされています。

不法就労は、外国人本人だけの問題ではありません。就労資格のない外国人を雇用した事業者や、 不法就労をあっせんした者についても、入管法に基づく不法就労助長罪に問われる可能性があります。

不法就労助長罪とは

事業活動に関して、外国人に不法就労活動をさせたり、不法就労をあっせんしたり、 外国人を自己の支配下に置いて不法就労させたりした場合に成立する犯罪です。

外国人本人が在留資格や就労制限について虚偽の説明をしていた場合であっても、 事業者が在留カードや就労可能な活動内容を適切に確認していなければ、責任を問われる可能性があります。

不法就労助長罪の法定刑も引き上げへ

区分 拘禁刑 罰金
現行 3年以下 300万円以下
改正後 5年以下 500万円以下

刑罰の引上げに加えて、事業許可に関する欠格事由も拡大されれば、 不法就労を発生させた事業者は、刑事処分を受けるだけでなく、事業そのものを継続できなくなる可能性があります。

現在は業種によって欠格事由の内容が異なる

現在、労働者派遣事業や有料職業紹介事業については、不法就労助長罪による処分歴が、 すでに許可の欠格事由として法律上定められています。

一方、その他の許認可事業では、「拘禁刑以上の刑に処せられたこと」を欠格事由としているケースが多く、 不法就労助長罪で罰金刑のみが科された場合には、欠格事由に該当せず、 再び同じ業種の許可を取得できることがありました。

現行制度で生じている問題

不法就労助長罪で罰金刑を受けても、業種によっては許認可の欠格事由に該当せず、 同じ事業を再開できる場合があります。入管庁は、この制度上の隙間を埋めるため、 各業法に不法就労助長罪を明記することを検討しています。

ヤードや廃棄物処理、古物営業などが調査対象となる可能性

近年、車両の解体や部品の保管などを行う「ヤード」と呼ばれる作業場が、 不法就労の温床となっているとの指摘があります。

関連する事業・許認可 主な法律 主な所管省庁
廃棄物の収集・運搬・処分 廃棄物処理法 環境省
使用済自動車の解体・再資源化 自動車リサイクル法 経済産業省など
中古車・中古部品の売買 古物営業法 警察庁・都道府県公安委員会

入管庁は今後、不法就労の事例が多い業種について実態調査を行い、 関係省庁との協議の場を設けることを検討しています。

許認可事業者に与える影響

  • 営業許可や事業許可の取消し
  • 許可更新が認められない可能性
  • 一定期間、新たな許可を取得できない可能性
  • 法人だけでなく、役員の処分歴が問題となる可能性
  • 取引先や金融機関からの信用低下
  • 外国人材の受入れ機関としての適格性への影響

特に、許認可を事業継続の前提としている企業では、許可を失うことが事実上の廃業につながることもあります。 「罰金を支払えば終わり」という問題ではなく、会社の存続そのものに影響する重大なコンプライアンスリスクとして認識する必要があります。

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実務への影響

外国人本人については、就労資格のない業務に従事した場合、在留期間更新や在留資格変更の審査、 在留資格の取消し、退去強制手続などに影響する可能性があります。

受入れ企業については、不法就労助長罪による刑事責任に加え、営業許可や事業許可の取消し、 更新不許可、新規許可の取得制限など、事業継続そのものに影響が及ぶ可能性があります。

外国人を雇用する企業が確認すべき事項

不法就労を防ぐためには、採用時に在留カードを確認するだけでは不十分です。 在留資格ごとに認められている活動内容と、実際に従事させる業務が一致しているかを確認しなければなりません。

採用・就労開始前の確認項目
  • 在留カードが有効なものであるか。
  • 在留期限が切れていないか。
  • 就労制限の有無を確認したか。
  • 資格外活動許可の範囲内であるか。
  • 在留資格で認められた活動と実際の業務内容が一致しているか。
  • 転職に伴う在留資格変更が必要ではないか。
  • 派遣や請負の形態が在留資格上認められているか。
  • 勤務場所や所属機関の変更に必要な手続が完了しているか。
  • 人材紹介会社や仲介者が適法な許可を取得しているか。
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専門家としての見解

行政書士としては、在留カードの有効性だけでなく、在留資格、指定書、資格外活動許可、 雇用契約書、職務内容、勤務場所および実際の就労内容が一致しているかを確認する必要があります。

職業紹介事業者としては、求人票に記載された職種名だけで判断せず、実際に担当する業務、 指揮命令関係、雇用形態、勤務場所まで確認したうえで、 外国人本人の在留資格に適合する求人を紹介することが重要です。

登録支援機関としては、定期面談や相談対応を通じて、雇用条件書と異なる業務や勤務場所で働いていないか、 契約内容と就労実態に相違がないかを継続的に確認し、 問題がある場合には受入れ企業へ速やかに改善を求める必要があります。

まとめ

出入国在留管理庁は、不法就労助長罪による処分歴を、より幅広い業種の許認可における欠格事由へ追加する方針です。

法改正が実現すれば、不法就労を発生させた事業者は、刑事罰を受けるだけでなく、 一定期間、同じ業種の許可を取得できず、事業継続が困難になる可能性があります。

企業に求められる対応

外国人を雇用する企業は、在留カードの形式的な確認だけでなく、 在留資格で認められた活動内容、実際の業務、勤務時間、所属機関、雇用形態まで確認する必要があります。 今後は、不法就労が発生した場合の影響が、刑事責任から事業許可の喪失へと拡大する可能性があるため、 採用前の確認体制と社内管理体制を早急に見直すことが重要です。

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※本記事は公表・報道されている方針をもとに作成したものです。 対象業種、欠格期間、施行時期などの具体的な内容は、 今後の関係省庁との協議および法改正によって決定される見込みです。

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