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人口1万人以下の首位はこの3年で外国人が“13倍超”に!《直近3年で外国人住民が急増した街》ランキングTOP100×3

5月1日(金)5:00 東洋経済オンライン

日本国内に暮らす外国人の数が、ここ数年で急速に増加しています。

出入国在留管理庁の「在留外国人統計」によると、2025年6月末時点の在留外国人数は395万6,619人となり、過去最多を更新しました。

2022年の296万1,969人と比較すると、わずか3年間で約100万人増加したことになります。

外国人住民は3年間で約100万人増加

  • 2022年:296万1,969人
  • 2025年6月末:395万6,619人
  • 3年間の増加数:約100万人
  • 全国各地で外国人住民の居住地域が拡大

外国人住民が増えている地域は、東京や大阪などの大都市圏だけではありません。

リゾート地、半導体産業の集積地、農漁業地域、工業団地、国際学校や日本語学校が立地する自治体など、それぞれ異なる事情を背景に外国人住民が急増しています。

東洋経済オンラインでは、出入国在留管理庁の「在留外国人統計」と総務省の「住民基本台帳人口」を基に、全国1,892市区町村を人口規模別に分類し、2022年から2025年までの外国人住民の増加率を集計しています。

人口規模別の3区分

  • 人口1万人以下の自治体
  • 人口1万人超から5万人以下の自治体
  • 人口5万人超の自治体

人口1万人以下では北海道赤井川村が1位

人口1万人以下の小規模自治体で最も高い増加率となったのは、北海道赤井川村です。

赤井川村の外国人住民は、2022年の28人から2025年には381人へ増加しました。増加率は1,260.7%で、約13.6倍に達しています。

北海道赤井川村

  • 2022年:28人
  • 2025年:381人
  • 増加率:1,260.7%
  • 約13.6倍に増加

外国人住民が急増した主な背景として、村内最大の観光資源である「キロロリゾート」の国際化が挙げられます。

フランス系会員制リゾート「クラブメッド」が運営に参画し、2023年12月には約2年間のリニューアルを経て「クラブメッド・キロロ グランド」として再開しました。

ニセコやルスツと並ぶ国際的なリゾート地へと発展する中で、欧米やアジアからの観光客だけでなく、ホテルや関連施設で働く外国人従業員も増加したとみられます。

北海道の周辺自治体でも外国人が増加

2位の北海道共和町は570.6%、5位の喜茂別町は255.3%の増加率となりました。

いずれもニセコエリアに隣接しており、ニセコ中心部の宿泊費や不動産価格の上昇を背景に、周辺自治体へ居住地や関連施設が広がっていることが一因と考えられます。

3位の北海道新得町は375.8%増で、「十勝サホロリゾート」が立地するスキー観光地です。

人口1万人以下の自治体トップ10のうち、6自治体を北海道勢が占めました。

新潟県刈羽村では技能実習・特定技能が増加

4位の新潟県刈羽村は296.3%の増加率となりました。

同村には東京電力柏崎刈羽原子力発電所がありますが、外国人住民の増加分80人のうち、技能実習と特定技能を合わせた外国人労働者が66人を占めています。

外国人住民の増加には、原子力発電所よりも、農業や介護など地域産業の人手不足を補う外国人材の受入れが大きく影響しているとみられます。

人口1万人超から5万人以下では八幡平市が1位

人口1万人超から5万人以下の中規模自治体では、岩手県八幡平市が315.5%の増加率で1位となりました。

八幡平市の外国人住民増加には、安比高原に開校した全寮制インターナショナルスクールが大きく影響しています。

2022年8月、英国の名門校ハロウスクールが運営する「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」が開校しました。

日本の小学6年生から高校3年生に相当する年代の生徒が世界各国から集まり、外国人の生徒や教員が地域に居住しています。

八幡平市で増えた主な在留資格

  • 留学:0人から139人
  • 教育:1人から76人
  • 英国籍:88人
  • 英語圏出身者:合計132人

中国人が155人で最も多く、英国籍は88人で2番目となっています。

アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドを含めた英語圏出身者は132人に達し、市内在留外国人のおよそ4人に1人を占めています。

茨城県利根町では留学生が16倍に増加

2位の茨城県利根町は275.1%の増加率となりました。

町内には「日本ウェルネススポーツ大学」と日本語学校「利根国際学院」があり、アジア各国から留学生を受け入れています。

在留資格「留学」の外国人は、2022年の60人から2025年6月には969人へ増加し、約16倍となりました。

外国人住民の増加数982人のうち、留学生が9割以上を占めています。

地方産業を支える技能実習・特定技能

3位の北海道芦別市は215.0%増で、技能実習と特定技能の外国人が増加しています。市内の食品関連事業者などで受入れが拡大したものとみられます。

4位の北海道岩内町は183.9%増です。増加した114人のうち、約7割を技能実習と特定技能の外国人が占め、漁業や水産加工業の人手不足を補っています。

また、岩内町では「技術・人文知識・国際業務」の在留外国人も2人から32人へ増加しました。

ニセコ周辺の観光関連専門職や、町内の食品製造業で働く技術者などが含まれている可能性があります。

静岡県東伊豆町では家族滞在が増加

5位の静岡県東伊豆町は173.7%増となりました。

東伊豆町は熱川温泉や稲取温泉を有する観光地です。「家族滞在」の在留外国人が3年間で14人から79人へ増加しています。

外国人従業員が単身で働く段階から、家族とともに地域で生活する段階へ移行していることがうかがえます。

人口5万人超では北海道恵庭市が1位

人口5万人超の自治体では、北海道恵庭市が136.3%の増加率で1位となりました。

恵庭市は札幌市と新千歳空港の中間に位置する人口約7万人の都市です。

周辺では、千歳市が96.7%増で7位、札幌市南区が85.2%増で12位、苫小牧市が83.0%増で13位となっており、北海道の道央地域全体で外国人住民が増加しています。

恵庭市で増加した主な在留資格

  • 技能実習・特定技能:318人増加
  • 留学:275人増加
  • 経営・管理、技人国、企業内転勤:合計92人増加

技能実習と特定技能の外国人は、食品工業団地や農業などの人手不足を補う形で増加しています。

また、市内には北海道文教大学や北海道ハイテクノロジー専門学校などがあり、留学生の受入れ拡大も外国人住民増加の大きな要因となっています。

ラピダス進出による半導体人材の流入

恵庭市と周辺地域では、「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」など、企業活動に関係する在留資格も増加しています。

背景には、2023年2月に千歳市への立地が決定した次世代半導体メーカー「ラピダス」の存在があります。

ラピダス本体が立地する千歳市では、「技術・人文知識・国際業務」の在留外国人が130人から305人へ増加しました。

駐在員の家族とみられる「家族滞在」も54人から90人へ増えています。

半導体関連企業や物流施設の集積に伴い、外国人技術者や建設関係者、駐在員とその家族の居住が千歳市から恵庭市、苫小牧市などへ広がっていると考えられます。

熊本県合志市でも半導体関連人材が増加

2位の熊本県合志市は124.3%増となりました。

隣接する菊陽町では、2024年2月に台湾の半導体メーカーTSMCの日本第1工場が開所しています。

台湾人駐在員や半導体関連企業の人材が、菊陽町だけでなく、周辺の合志市や大津町にも居住するようになりました。

合志市で増加した主な在留資格

  • 家族滞在:7人から99人
  • 高度専門職:0人から49人
  • 企業内転勤:6人から32人
  • 技術系専門職と家族滞在:合計214人増加

外国人住民の増加数440人のうち、技術系専門職と家族滞在を合わせた増加が214人となり、全体のおよそ半数を占めました。

単身赴任の外国人労働者だけでなく、家族とともに地域に生活基盤を置く外国人駐在員が増えていることが読み取れます。

観光地では特定技能外国人が急増

3位の大阪府泉佐野市は113.5%増となりました。

関西国際空港の対岸に位置し、訪日外国人旅行者の回復に伴って、空港周辺の宿泊、物流、飲食、サービス業などで外国人雇用が増えたとみられます。

4位の沖縄県宮古島市は110.3%増、6位の岐阜県高山市は100.0%増となっています。

両市はいずれも代表的なインバウンド観光地であり、「特定技能1号」の外国人が3年間で7倍から15倍に増加しています。

宿泊業、外食業、飲食料品製造業などの深刻な人手不足を、特定技能外国人が支える構図が明確になっています。

木津川市では物流・食品製造分野の外国人が増加

5位の京都府木津川市は103.4%増となりました。

木津川市は、京都府、大阪府、奈良県の3府県8市町にまたがる「関西文化学術研究都市」の中核地域です。

情報通信研究機構をはじめ、160を超える研究施設などが集積し、「東のつくば、西のけいはんな」とも呼ばれています。

もっとも、外国人住民の増加数729人のうち、教授や研究者などの高度人材は約30人にとどまります。

増加数の約75%を占めるのは、食品工業や物流関連で働く技能実習・特定技能の外国人です。

一方、「技術・人文知識・国際業務」も47人から104人へ増えており、民間企業の技術者や駐在員の流入も進んでいると考えられます。

独自の理由で外国人が増えている自治体

上位自治体には、半導体、国際学校、リゾート、インバウンドといった共通点があります。

一方、ランキング上位以外にも、地域産業や教育施設などの独自の事情によって外国人住民が増加している自治体があります。

長野県白馬村|ワーキングホリデーと外国人経営者

長野県白馬村の外国人住民は、2022年の361人から2025年には1,099人となり、204.4%増加しました。

最も多い在留資格は「特定活動」で、21人から465人へ急増しています。

特定活動には、オーストラリアやカナダとのワーキングホリデー制度を利用して働く外国人などが含まれます。

実際に、オーストラリア人とカナダ人を合わせると435人となり、村内外国人のおよそ4割を占めています。

また、「経営・管理」の在留外国人も71人おり、外国人がホテル、飲食店、スキースクールなどを経営する動きも進んでいます。

長崎県新上五島町|漁業を支えるインドネシア人材

長崎県新上五島町では、外国人住民が82人から196人へ増え、増加率は139.0%となりました。

五島列島北部に位置する人口約1万6,000人の離島で、まき網漁業の人手不足が深刻化しています。

地元の浜串漁業協同組合が技能実習事業を開始し、インドネシアから若い技能実習生を受け入れています。

外国人住民の増加数114人のうち、技能実習と特定技能を合わせた外国人労働者が106人を占めました。

千葉県我孫子市|日本語学校の街へ変化

千葉県我孫子市では、外国人住民が2,244人から4,218人へ増加し、増加率は88.0%となりました。

増加数1,974人のうち、「留学」の在留資格が1,226人を占めています。

市内には「AOI日本語学院」があり、ベトナム、ネパール、スリランカなどアジア各国から留学生を受け入れています。

特にネパール人は1,136人増加しており、市全体の外国人増加数の半数以上を占めました。

東京近郊の住宅都市であった我孫子市が、日本語学校を中心とする留学生の街へと変化しつつあります。

長崎県波佐見町|伝統工芸を支える外国人材

長崎県波佐見町では、外国人住民が39人から93人へ増加し、増加率は138.5%となりました。

波佐見町は、400年以上の歴史を持つ「波佐見焼」の産地です。

外国人住民の増加数54人のうち、技能実習と特定技能を合わせた外国人労働者が34人を占めました。

技能実習制度には「陶磁器工業製品製造」の職種があり、機械ろくろ成形、圧力鋳込み成形、パッド印刷などが対象となっています。

日本の伝統工芸の生産現場でも、外国人材が重要な担い手となっていることが分かります。

外国人が増える理由は地域によって異なる

外国人住民が増加している理由は、単純な人手不足だけではありません。

外国人住民が増加する主な背景

  • 技能実習・特定技能による人手不足分野への就労
  • 外国人観光客の増加に伴う宿泊・外食・サービス業の採用
  • 半導体など先端産業の工場進出
  • 国際学校や日本語学校への留学
  • 外国企業の駐在員や高度専門職の転入
  • 外国人従業員の家族帯同
  • ワーキングホリデーによる季節就労
  • 外国人による宿泊施設や飲食店などの経営

地方における外国人住民の増加は、外国人材が一時的に不足する労働力を補っているだけではないことを示しています。

留学生、技術者、経営者、駐在員、その家族などが地域に住み、学校、住宅、医療、行政サービスなどを利用するケースも増えています。

外国人材の受入れから地域共生の段階へ

外国人住民が短期間で急増する自治体では、企業の採用体制だけでなく、地域社会の受入れ体制も重要になります。

外国人材が安心して働き、生活を続けるためには、住居の確保、生活オリエンテーション、日本語教育、医療機関の利用、子どもの就学、行政手続など、幅広い支援が必要です。

企業や自治体に求められる対応

  • 在留資格と実際の業務内容の適合確認
  • 適正な雇用条件と労働環境の整備
  • 住居や生活インフラに関する支援
  • 日本語学習機会の確保
  • 外国人の家族や子どもへの支援
  • 地域住民との交流機会の整備
  • 行政、企業、学校、支援機関の連携

まとめ

日本の在留外国人数は、2025年6月末時点で395万6,619人となり、3年間で約100万人増加しました。

外国人住民が増えている背景には、技能実習や特定技能による労働力の確保だけでなく、リゾート開発、インバウンド需要、国際学校、日本語学校、半導体工場の進出、高度外国人材の受入れなどがあります。

また、「家族滞在」の増加が示すように、外国人が単身で一時的に働くのではなく、家族とともに地域で生活するケースも増えています。

今後は、外国人を単なる労働力として受け入れるだけでなく、地域住民として安心して生活し、長期的に活躍できる環境を整えることが、企業と自治体の双方に求められます。

出典:東洋経済オンライン「人口5万人超の自治体で外国人が急増した街」に関する記事、および出入国在留管理庁「在留外国人統計」、総務省「住民基本台帳人口」を基に構成。

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