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外国人の在留申請手数料、値上げ案が明らかに

出入国在留管理庁は、在留資格の変更・更新および永住許可に関する手数料を大幅に引き上げる政令改正案を公表しました。

政令案では、在留資格変更許可・在留期間更新許可の手数料を、許可される在留期間に応じた段階制とし、窓口申請では1万円から最大7万5,000円、オンライン申請では1万円から最大6万5,000円とする内容が示されています。

また、永住許可の手数料については、現在の1万円から20万円へ引き上げる案となっています。

今回公表された政令案のポイント
  • 在留資格変更・更新の手数料を、許可される在留期間に応じた段階制に変更する。
  • 窓口申請は1万円から最大7万5,000円、オンライン申請は1万円から最大6万5,000円とする。
  • 永住許可の手数料を、現在の1万円から20万円へ引き上げる。
  • 改定後の手数料は、2026年10月1日以降に受け付けられる申請から適用する方針とされている。
  • 経済的に困難な事情がある人については、一定の減額措置も設ける案が示されている。
この記事から分かること

今回の政令案で重要なのは、在留資格の変更・更新手数料が、これまでの一律料金から、許可される在留期間に応じた料金体系へ変更される点です。

そのため、申請時点では最終的な手数料が確定せず、実際に許可された在留期間によって納付額が変わることになります。

特に、永住許可は1万円から20万円への引き上げ案となっており、外国人本人や家族にとって非常に大きな負担増となります。外国人を雇用する企業にとっても、変更・更新手数料を誰が負担するのかを整理する必要があります。

在留資格変更・更新の手数料は「在留期間別」へ

現在、在留資格変更許可および在留期間更新許可の手数料は、許可される在留期間にかかわらず、窓口申請では6,000円、オンライン申請では5,500円です。

今回の政令案では、許可される在留期間が長いほど手数料が高くなる段階制が導入されます。

許可される在留期間 窓口申請 オンライン申請
3か月以下 10,000円 10,000円
3か月超6か月以下 18,000円 15,000円
6か月超1年未満 25,000円 21,000円
1年 33,000円 27,000円
1年超3年未満 48,000円 42,000円
3年以上5年未満 64,000円 56,000円
5年以上 75,000円 65,000円

例えば、1年の在留期間が許可された場合、窓口申請では3万3,000円、オンライン申請では2万7,000円となります。

特定技能、技術・人文知識・国際業務、家族滞在などで1年更新が続いている外国人にとっては、現在の6,000円または5,500円から大幅な負担増となります。

申請時ではなく「許可された在留期間」で金額が決まる

在留資格変更許可・在留期間更新許可の手数料は、原則として許可を受ける際に納付します。

そのため、「3年の在留期間を希望して申請したが、実際には1年の在留期間が許可された」という場合には、希望した期間ではなく、実際に許可された1年の料金が適用されることになります。

オンライン申請の方が安くなる

今回の料金体系では、3か月以下の在留期間を除き、窓口申請よりオンライン申請の方が安く設定されています。

在留期間が長くなるほど窓口申請との差額も大きくなり、5年以上の場合は、窓口申請7万5,000円に対し、オンライン申請は6万5,000円となり、1万円の差が生じます。

これは、行政手続のオンライン化を促進し、窓口業務や事務処理の負担を減らす政策的な意図があるものと考えられます。

オンライン申請なら必ず安いわけではありません

在留期間が3か月以下の場合は、窓口申請・オンライン申請ともに1万円とされています。また、永住許可申請は現時点ではオンライン申請の対象ではないため、窓口で20万円を納付することになります。

永住許可の手数料は1万円から20万円へ

永住許可の手数料については、現在の1万円から20万円へ引き上げる案が示されています。

手続 現行 改定案
永住許可 10,000円 200,000円

永住許可の手数料は、許可された場合に納付するものです。不許可となった場合には、この20万円を納付することにはなりません。

しかし、許可時に20万円を一括で納付する必要があるため、申請人本人や家族にとって非常に大きな経済的負担となります。

永住許可手数料の大幅引き上げについては、以前の記事「在留資格許可申請は手数料10倍時代へ、負担増の根拠はどこにあるのか」でも、制度改正の背景、受益者負担の考え方、外国人本人や企業への影響、手数料の根拠と使途に求められる透明性について詳しく解説しています。

なぜ手数料が大幅に引き上げられるのか

出入国在留管理庁は、手数料の算定にあたり、審査に必要な人件費やシステム運用費などの実費だけでなく、出入国在留管理行政全体に必要な費用を在留外国人にも負担してもらう「応益的要素」を含める考え方を示しています。

手数料の主な構成要素
  • 申請の審査に必要な職員の人件費
  • オンライン申請システムなどの開発・運用費
  • 在留管理、入国審査、不法滞在対策などに必要な行政費用
  • オンライン申請を促進するための政策的な料金差

在留期間が長いほど、その期間中に受ける在留管理上の利益も大きいという考え方から、許可期間に応じて料金を段階的に引き上げる設計となっています。

一方で、在留資格の更新や変更は、日本で適法に働き、学び、生活を続けるために必要不可欠な手続です。

外国人本人は税金や社会保険料を負担しており、受入れ企業や地域社会も外国人人材によって支えられています。そのため、行政コストを外国人本人にどこまで負担させるのかについては、引き続き慎重な議論が必要です。

実務への影響

外国人本人にとっては、更新や変更のたびに数万円の手数料が必要となる可能性があります。特に1年の在留期間が繰り返し許可されている人や、本人だけでなく家族の更新も必要な世帯では、負担が積み重なります。

受入れ企業にとっては、特定技能外国人や外国人社員の更新手数料を会社が負担するのか、本人負担とするのか、一部補助とするのかを整理する必要があります。

また、オンライン申請を利用できる体制を整えることで、外国人1人あたりの手数料を抑えられる場合があります。多数の外国人を雇用する企業では、申請方法の違いが年間コストに大きく影響する可能性があります。

外国人本人・受入れ企業が確認すべき事項

改定前に確認しておきたいこと
  • 現在の在留期限と、更新申請が可能となる時期
  • 2026年10月1日より前に申請できるか
  • 窓口申請とオンライン申請のどちらを利用するか
  • 手数料を本人と企業のどちらが負担するか
  • 雇用契約書、社内規程、支援委託契約などに費用負担の定めがあるか
  • 家族分を含めた更新費用の総額
  • 永住許可申請の要件がすでに整っているか
  • 経済的困難を理由とする減額措置の対象となる可能性があるか

2026年10月1日より前に申請すれば現行料金となるのか

政令案では、改定後の手数料を2026年10月1日以降に受け付けられる申請から適用する方針が示されています。

そのため、2026年9月30日までに申請が受け付けられた場合には、許可が10月1日以降となった場合でも、現行の手数料が適用される経過措置となることが想定されています。

ただし、正式な政令の内容、施行日、経過措置の取扱いについては、公布後の確定情報を確認する必要があります。

更新申請はいつでもできるわけではありません

在留期間更新許可申請は、原則として在留期限のおおむね3か月前から行います。手数料の引き上げを避けるためだけに、通常の受付時期より大幅に早く申請することはできません。個別の在留期限を確認したうえで判断する必要があります。

企業が手数料を負担する義務はあるのか

在留資格変更・更新の手数料について、すべての在留資格に共通して、企業が必ず負担しなければならないという一般的な法律上の定めがあるわけではありません。

そのため、本人負担、企業負担、折半など、実際の取扱いは企業によって異なります。

しかし、外国人人材の採用や雇用継続のために必要な手続であることから、企業が全部または一部を負担しているケースも少なくありません。

特に、特定技能外国人を多数雇用する企業では、手数料の大幅引き上げにより、これまでの費用負担ルールを維持できるかを検討する必要があります。

企業側で整理すべき費用負担ルール
  • 収入印紙などの国へ納付する手数料
  • 行政書士へ依頼する場合の申請報酬
  • 必要書類の取得費用や翻訳費用
  • 外国人本人と扶養家族の費用
  • 退職・転職時の費用の取扱い
  • オンライン申請を行う場合の社内手続
専門家としての見解

今回の手数料引き上げは、単なる行政手続費用の値上げではありません。在留期間が短く、更新回数が多い外国人ほど、継続的に大きな負担を負う制度となります。

一方で、3年や5年の在留期間が許可されるかどうかは、本人の在留状況だけでなく、雇用の安定性、納税・社会保険の履行状況、所属機関の適正性、届出の履行状況などを含めて判断されます。

受入れ企業としては、申請直前に書類を整えるだけではなく、日頃から適正な雇用管理、社会保険への加入、各種届出、契約内容と就労実態の一致を徹底することが重要です。

また、多数の外国人を雇用する企業では、在留期限を一覧管理し、申請時期、申請方法、費用負担を早めに整理する必要があります。オンライン申請の活用を含め、在留管理体制そのものを見直す時期に来ています。

手数料の引き上げと「制度への信頼」

在留資格の審査体制を強化し、不正申請や不法就労を防止するためには、一定の行政コストが必要です。

また、在留外国人数の増加に伴い、オンライン申請システム、多言語相談、在留管理、違反調査などに必要な費用が増えていることも理解できます。

しかし、手数料を大幅に引き上げるのであれば、なぜその金額になるのか、集めた手数料を何に使うのか、オンライン化によってどの程度業務が効率化されるのかについて、丁寧な説明が必要です。

以前の記事「在留資格許可申請は手数料10倍時代へ、負担増の根拠はどこにあるのか」で指摘したとおり、制度の適正化と、真面目に働く外国人への一律の負担増は、分けて考える必要があります。

外国人は、日本で働き、税金や社会保険料を納め、企業や地域社会を支えています。手数料の引き上げによって制度への不信感が高まれば、日本が外国人人材から選ばれにくくなる可能性もあります。

まとめ

出入国在留管理庁が公表した政令案では、在留資格変更・在留期間更新の手数料について、許可される在留期間に応じた段階制を導入し、窓口申請では最大7万5,000円、オンライン申請では最大6万5,000円とする内容が示されています。

永住許可の手数料については、現在の1万円から20万円への大幅な引き上げ案となっています。

改定後の手数料は、2026年10月1日以降に受け付けられる申請から適用される方針です。

外国人本人・企業に求められる対応

外国人本人は、自身と家族の在留期限、更新可能時期、必要となる手数料を早めに確認する必要があります。受入れ企業は、外国人社員の在留期限管理、オンライン申請の活用、手数料の負担ルール、年間予算を整理することが重要です。特に多数の外国人を雇用する企業では、今回の改定を単なる値上げとしてではなく、在留管理体制全体を見直す機会として捉える必要があります。

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※本記事は、2026年7月時点で公表・報道されている政令改正案をもとに作成しています。手数料額、施行日、経過措置、減額措置などは、正式な政令の公布により変更される可能性があります。実際に申請する際は、出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。

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