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永住許可のハードル引き上げへ。政府が年収・年金・日本語能力を新要件化

外国人の永住許可要件を厳格化へ

永住許可・入管政策

外国人の永住許可要件を厳格化へ
年収・年金・日本語能力を新たな審査基準に

政府が、外国人の永住許可要件を厳格化し、 年収、将来の年金受給見込み額、日本語能力、日本の制度やルールへの理解度 を新たな審査基準として加える方針を固めたと報じられました。

年収は原則として日本人世帯の平均以上、年金は厚生年金に30年間加入していた場合と同程度の受給水準が求められる方針です。

永住許可要件見直しのポイント

年収要件
日本人世帯平均以上
原則として要求
年金要件
厚生年金30年水準
将来の受給見込み額
新たな考慮要素
日本語・制度理解
国益適合要件で考慮

ガイドラインは10月1日付で改定され、来年4月以降の申請から原則として適用される方針です。

現行要件と見直し内容

今回の方針で具体化される主な審査項目

年収

原則として、日本人世帯の平均を上回る水準が求められる方針です。

年金

厚生年金に30年間加入していた場合と同程度の受給見込み額が目安となります。

預貯金・資産

年収や年金が不足する場合でも、十分な預貯金などがあれば補完評価される可能性があります。

日本語能力

「自立した言語使用者」とされる日本語能力が考慮される方針です。

制度・ルール理解

日本の制度や社会のルールに対する理解度も審査で考慮されます。

現在の永住許可の基本要件

現在の永住許可ガイドラインでは、主に次の3つの要件が定められています。

① 素行が善良であること
法令を守り、社会的に非難される行為をしていないこと。
② 独立の生計を営めること
将来にわたり安定した生活を継続できること。
③ 日本の国益に合うこと
在留年数、納税、公的義務の履行状況などを含めて判断されること。

永住権で審査される主なポイント

永住許可は、単に一定期間日本に住んでいれば認められる制度ではありません。 在留年数に加え、税金や社会保険料の納付状況、収入と雇用の安定性、 在留状況、素行、家族構成、将来の生活見込みなどが総合的に審査されます。

税金・社会保険料

期限内に適切に納付しているか

収入・雇用

継続的で安定した生活基盤があるか

在留状況・届出

在留手続や各種届出を適正に行っているか

素行

交通違反を含め、法令を守って生活しているか

家族・生活基盤

家族構成や家計を含め、生活が安定しているか

将来の自立性

今後も日本で自立して生活できる見込みがあるか

関連記事: 永住許可は「10年住めば取れる」制度ではない

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この記事から分かること

今回の報道から分かる重要な点は、永住許可の「独立生計要件」と「国益適合要件」が、 これまで以上に具体的な数値や能力によって審査される方向に進んでいることです。

  • 年収は原則として日本人世帯の平均以上が求められる
  • 将来の年金受給見込み額も審査対象となる
  • 年金は厚生年金に30年間加入していた水準が目安となる
  • 不足する場合でも、預貯金や資産によって補完できる可能性がある
  • 日本語能力や日本の制度・ルールへの理解度も考慮される

これまでの永住審査でも、収入、納税、年金、社会保険などは重要な判断材料でしたが、 今後は申請者に求められる水準がより明確化される可能性があります。

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実務への影響

永住申請者への影響

今後は現在の年収額だけでなく、その年収を前提に将来どの程度の年金を受け取れるのか、 より長期的な生活基盤まで審査される可能性があります。

扶養家族が多い場合、年収が一定額あっても、世帯全体として安定した生活を継続できるかが より慎重に判断される可能性があります。

預貯金・資産の重要性

年収や年金の受給見込み額が基準に達しない場合でも、 十分な預貯金や不動産などの資産があれば、 独立生計要件を満たすと評価される余地が残される方針です。

申請前に確認したいポイント
  • 本人および世帯全体の年収
  • 年金の加入期間と将来の受給見込み額
  • 預貯金、不動産、その他の資産状況
  • 納税、年金、健康保険などの公的義務の履行状況
  • 日本語能力を客観的に示す資料
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専門家としての見解

永住許可は、単に長期間日本に住んでいるという理由だけで認められるものではありません。 日本で安定した生活基盤を築き、公的義務を履行し、 今後も自立して生活できることを総合的に審査する制度です。

一方で、日本人世帯の平均年収を一律の基準とした場合、 地域差、年齢、家族構成、就労形態などがどのように考慮されるのかは重要な論点です。

日本人世帯の約4割しか届かない高い年収水準

日本人の平均世帯年収は575万2,000円ですが、実際には、この金額以下の世帯が全体の6割以上を占めています。 また、世帯年収の中央値は451万円であり、平均年収と中央値の間には100万円を超える差があります。

つまり、「日本人世帯の平均年収以上」という基準は、日本人世帯であっても約4割しか到達していない、 相当に高い水準です。外国人に安定した生活基盤を求めること自体には合理性がありますが、 日本人世帯の多数が下回る金額を永住許可の原則的な基準とするのであれば、 その妥当性や公平性について慎重な検討が必要です。

平均世帯年収
575.2万円
世帯年収の中央値
451万円
平均以上の世帯
約4割

特定技能2号からの永住申請への影響

特に大きな影響を受ける可能性があるのが、特定技能2号で働く外国人です。 特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人が長期的に日本で働くための在留資格であり、 配偶者や子どもの帯同も認められています。

特定技能2号で働く人の平均年収を約400万円とすると、 日本人世帯の平均年収575万2,000円とは約175万円の差があります。 現在の収入水準のままでは、長期間日本で働き、納税や社会保険料の納付を適切に続けていたとしても、 年収基準だけで永住許可の対象から外れる人が相当数生じる可能性があります。

現時点では、年収要件の判断に当たり、 「特定技能2号本人の収入に配偶者の収入を加算する」という方向性は示されていません。 これまでの永住審査では家族全体の収入や生活状況も考慮されてきましたが、 新たな基準が本人の年収を中心に運用されるのか、世帯収入を基準とするのかは、 今後公表される正式なガイドラインを確認する必要があります。

ただし、政府の最近の制度設計では、就労系在留資格について、 外国人本人が自らの就労収入によって経済的に自立していることを重視する傾向があります。 そのため、特定技能2号について配偶者の収入を前提に年収要件を大幅に緩和する可能性は、 現時点では高くないと考えられます。

特定技能2号からの永住が極めて困難になる可能性

特定技能2号は、在留期間の更新回数に上限がなく、家族帯同も可能であることから、 日本で長期的な生活基盤を築くための在留資格として期待されてきました。 また、一定期間継続して在留し、納税や社会保険料の納付などの要件を満たせば、 永住許可を目指すことも可能です。

しかし、日本人世帯の平均年収以上という水準が、特定技能2号本人の年収に対して 一律に求められることになれば、特定技能2号から永住許可を取得する道は、 現実的に極めて厳しくなる可能性があります。

熟練した技能を持ち、人手不足分野で長期間働き、税金や社会保険料を適切に納め、 家族とともに日本社会に定着している外国人であっても、 年収が基準額に届かないという理由だけで永住が認められないのであれば、 特定技能2号を長期的なキャリアとして選択する魅力そのものが低下しかねません。

行政書士として

永住申請では、年収額だけでなく、家族構成、家計収支、納税記録、 年金・健康保険の加入履歴、預貯金、資産状況などを総合的に整理する必要があります。

また、今後は日本語能力や日本の制度・ルールへの理解度についても、 客観的な資料による立証を求められる可能性があります。

審査の公平性という観点

年収だけを重視し過ぎると、長年日本で生活し、地域社会に定着し、 公的義務を適切に果たしてきた人であっても、 年齢や就労形態によって不利になる可能性があります。

そのため、収入、資産、家族状況、日本での生活実態を含めた 総合的な判断が維持されることが重要です。

日本人世帯の約6割が下回る年収額を一律の基準とすれば、
特定技能2号から永住を目指す道が、事実上極めて困難になる可能性があります。

まとめ

政府は、外国人の永住許可要件を厳格化し、 年収、将来の年金受給見込み額、日本語能力、 日本の制度・ルールへの理解度を新たな審査基準として加える方針です。

年収は原則として日本人世帯の平均以上、 年金は厚生年金に30年間加入していた場合と同程度の受給水準が求められるとされています。

基準に不足する場合でも、十分な預貯金や資産があれば、 独立生計要件を満たすと評価される余地があります。

今後永住申請を検討する場合は、 収入、資産、年金記録、納税状況、日本語能力などを 早い段階から整理しておく必要があります。

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※本記事は、報道された政府方針をもとに、 永住許可要件の見直し内容が分かりやすくなるよう整理したものです。

※具体的な年収額、年金水準、日本語能力の確認方法、経過措置などは、 今後公表される正式なガイドラインを確認する必要があります。

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